解体か保存かで揺れる、旧香川県立体育館、通称「船の体育館」についてです。県側が会見を開き、老朽化や耐震性を理由に解体を進めることに改めて理解を求めました。

会見は、県教委と県の営繕課が開いたもので、建物本体や支持杭の耐震性の不足、屋根の落下の危険性などについて、資料を示して説明しました。

世界的建築家、丹下健三が設計し文化的価値が高いとされる建物ですが、県は老朽化や耐震性を理由に解体を決め、約10億円がかかるとする工事の手続きが進んでいます。

これに対し、建物の保存を求める民間の団体「再生委員会」は13年前に行われた耐震診断を県は「読み違えている」として、最新の知見をもとに「解体を急ぐ必要はない」と主張しています。

会見で県は、「耐震診断は国が定めた方法で実施している」「建物の中2階や1階が地震の震動や衝撃に対して倒壊、または崩壊する危険性がある」と改めて説明しました。

(香川県教育委員会 淀谷圭三郎教育長)
「われわれは危険性があるという判断なので、リスクがないと言われてもそこは相いれない部分があります」

県は、再生委員会の話は今後も聞くとしながらも、建物の記録保存はていねいに行うとして解体の手続きを進めることに理解を求めました。