解体か保存か。旧香川県立体育館、通称「船の体育館」をめぐる動きです。建物の保存を訴える民間の団体と県側との2回目の話し合いが行われました。焦点は建物の安全性についての見解です。

建物の保存を訴える「再生委員会」の長田委員長らが香川県庁を訪れ、県教委、県の営繕課と2時間にわたって話し合いました。

世界的建築家、丹下健三が設計し文化的価値が高いとされる「船の体育館」ですが、県は老朽化や耐震性を理由に約10億円をかけて解体することを決めています。

一方、再生委員会は耐震性について専門家による最新の知見をもとに、「解体を急ぐ必要はない」と主張してきました。

きょう(11日)の話し合いでは、簡略化した構造モデルで過去に行われた耐震診断をもとに、県が解体を急ぐことに改めて疑問を呈したということです。

(旧香川県立体育館再生委員会 上杉昌史副委員長)
「話としては理解はできるけれども、それを判断する材料は持っていないという言い方」

(旧香川県立体育館再生委員会 長田慶太委員長)
「本当に県が倒壊するということの根拠、この耐震診断書の県全体の読み違えというか、10億円の数字をつけて解体に進んでいくことの本当の意味。そこをきょうはその妥当性というのをきちんと判断すべきだということを強く言わせていただきました」

県側はあす(12日)、淀谷教育長らが建物の安全性などについて会見で説明するとしています。