岩手県内でクマによる人身被害が相次ぐなか、現場対応にあたる警察職員が専門家を招いて研修を行いました。

これはクマの出没や人身被害があった際、現場に臨場することになる警察職員がクマの習性や対処方法を身に付けるため、2024年から開いているものです。
11日は県警本部や県内各地の警察署から32人の警察職員が参加しました。

研修会では雫石町職員で農林水産省の農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーの谷崎修さんが、2025年はブナの大凶作が見込まれていることから、同じく大凶作だった一昨年同様9月、10月に出没が増える可能性が高いとして注意を呼びかけました。

座学の後はクマを追い払うための花火や、唐辛子と同じカプサイシンの成分を噴射するクマスプレーを用いた実技訓練を行いました。

(江幡記者リポート)
「こうした実技研修では通常、クマスプレーは訓練用のダミーを用いることが多いのですが、今回は本物のクマスプレーを使っての訓練です」

訓練に参加した職員はスプレーが届く距離が5メートルほどであることや、風向きによっては高濃度のカプサイシンが自分の方に向かってくることもあることを体感していました。

(二戸警察署 伊藤将司 中山駐在所長)
「訓練をしているしていないというのは大きいと思います。現場に出て何もわからないで右往左往する警察官では頼りにならないと思いますので、訓練を積んで自信のある態度で住民の安全を守れたらなと思います」

県警によりますと県内では2025年、クマによる人身被害が10日現在で2024年より6件多い14件発生していて、1人が死亡、14人がけがをしています。