学歴詐称問題を発端に、市議会から不信任決議を受けた静岡県伊東市の田久保真紀市長。9月10日、議長に市議会の解散を通知しました。
田久保市長は市議会側の責任を問う姿勢を示し「市民の皆さまに信を問うべき」と述べました。
<LIVEしずおか 滝澤悠希キャスター>
「9時58分です。田久保市長が姿を見せました。落ち着いた表情です。今正副議長室へ向かっていきます」
失職か、それとも議会の解散か。田久保市長の決断が明らかになりました。
<伊東市 田久保真紀市長>
「令和7年9月10日、議会を解散するため通知をいたします」
10日間をかけて田久保市長が出した答えは議会の解散でした。「議会の解散は大義が無い」と批判の声が多くあった中、解散を選んだ理由について説明を求めると...。
<田久保市長>
「市政にとって、また市民生活におきまして大変重要な議会においての審議や採決が議会初日に放棄されてしまった事実を冷静に受け止め、改めて広く市民の皆さまに信を問うべきであると考えました」
そのうえで、若い世代に期待したいと自身の思いを語りました。
<田久保市長>
「自分こそ市政を変えていくと、そのように思って手をあげてくれる若い力に私としては、非常に期待をしております」
市議会側の責任を問う姿勢を示した田久保市長。通知を受け取った前正副議長は、市長の判断を痛烈に批判しました。
<前伊東市議会議長 中島弘道氏>
「大義なき解散で私たちには怒りしかありません」
<前伊東市議会副議長 青木敬博氏>
「市民ファーストよりも自分ファースト」
市長の決断に、市民もあきれた様子でした。
<伊東市民>
「最初から市民がどうなろうと関係ない。全く大義がないじゃん、自分を守りたいだけ」
<伊東市民>
「ほとんどの市民がもう信じていない、市長のことを。本来だったら辞任してもらった方がよかったんじゃないか」
<伊東市杉本一彦市議(6月当時)>
「市長確認させてください。東洋大学法学部経営法学科を卒業で間違いありませんね?」
田久保市長は就任から1か月で学歴詐称疑惑が浮上。疑惑を巡り、市政が停滞するという異常事態に発展していました。大学の「卒業証書」とされるものを、市議会の議長と副議長に見せていましたが...。
<田久保市長>
「報道にあるような『チラ見せ』の事実はありません。約19.2秒ほど見ていただいたと記憶しています」
その言動の数々に、議員も職員も、日々不信感を募らせていました。
市議会の解散により、伊東市では今後40日以内に市議会議員選挙が行われることになり、早ければ9月11日にも正式な選挙日程が決まる見通しです。
市の幹部職員は、市民生活への影響が出ないようにしたいと話しました。
<伊東市 近持剛史 企画部長>
「議会が解散して、議員がいなくなりましたけれども、市民サービスに影響がないように各部が連携しまして、しっかりとやっていきたい」
伊東市の混乱は収まる気配を見せません。