竜巻の被害からの復旧に向けて歩み出す静岡県牧之原市の住民たちを、厳しい暑さが苦しめています。
8日も強い日差しの中で復旧作業が続けられました。静岡県内に熱中症警戒アラートが発表されるなか、暑さから被災者を守る取り組みも始まっています。
<社会部 寺坂元貴記者>
「炎天下への対策として牧之原市が設置したのはバスを使ったクーリングシェルター、『涼み処』です。中に入ってみますと、冷たい風が吹いていてようやく一息つくことができます」
市が設置した臨時のクーリングスポット。エアコンをきかせたバスの中では塩分や水分の補給も可能です。
<三島乾児カメラマン>
「牧之原市の静波海岸です。こちらでは突風被害で出た災害ごみが運び込まれています。振り返ると搬入のための長い車の列ができています」
大きな災害が起きたとき課題となるのが大量のごみです。静波海水浴場の駐車場には竜巻が発生した翌日の9月6日、災害ごみを受け入れる仮置き場が設けられました。
<ごみを運び込んだ人>
Q. これで終わりですか?
「まだまだ、最初。終わらないですよ、とても。とにかく金物だけ最初」
<ごみを運び込んだ人>
「さっき1回持ってきて、同じ量ですね。これで2回目。まだ残ってますね」
市内で確認された被害は住宅だけでも1000棟以上。海水浴場の仮置き場は7日に受け入れられる容量が限界に達し、市は8日から仮置き場の場所を変更しました。
暗闇の中、警察官が手信号を行う場面も見られました。牧之原市内では竜巻の発生後、広い範囲で停電が起きました。停電した住宅で、住民が用意していたのはろうそくです。
<被害を受けた住民>
「この暑さと、冷蔵庫の中の物が心配ですね。やっぱり電気ですね今は」
こちらの男性は竜巻があった日、最寄りの避難所が停電のため開設されず、他の避難所は遠いため、自宅で過ごす決断をしました。
<被害を受けた住民>
「早く普段の生活に戻りたい。それのみです」
停電を受け、市はスマートフォンや携帯電話の充電場所を複数設置しました。
<充電場所を訪れた人>
「何しろ情報がほしいもんね、テレビも映らないので状況確認ですよね」
そして多くの住民が心配しているのが今後の雨です。
<住民>
Q. 何の作業を?
「いま屋根の養生してます。来週の木曜日が雨だと思うので、瓦が傷んじゃってるんで」
日常を取り戻そうと努力を続ける被災者たち。復旧をはばむ多くの問題と向き合いながら一歩ずつ前に進もうとしています。