香川県が解体を決めている「船の体育館」について、保存を求める民間の団体が解体工事に関する一切の公金を支出しないよう住民監査請求を行いました。

世界的建築家、丹下健三が設計し「船の体育館」と呼ばれる旧香川県立体育館です。文化的価値が高いとされる一方で、老朽化や耐震性を理由に県は約10億円をかけて解体することを決めています。建物の保存を求める民間の建築家らでつくる「再生委員会」は、公金の支出が違法で不当なものであるなどとして住民監査請求を今月5日付で行いました。

請求書では、
・合理性のある代替案の検討が行われていない
・建物の安全性に関する県の判断が具体的
・客観的な技術的裏付けを欠いている
・解体費用が相場から大きく乖離し著しく高額である
などと違法性を指摘し、解体工事に関する一切の公金を支出しないよう求めています。

香川県の池田知事は会見で、「きょう事務局に請求書が届いたと聞いている。内容はまだ承知していない」と述べました。解体工事の入札には1社以上の応札があったことが明らかになっていますが、池田知事は、「保存を求める意見もある中で苦しい気持ち」としながらも、安全面の見解について、「県民に説明する場をできるだけ早く作りたい」と話しました。