香川県が老朽化を理由に解体を決めている旧県立体育館をめぐり、建物の保存を訴える民間の団体と県教委との話し合いの場が、あす(28日)設けられることになりました。淀谷教育長がきょうの定例会見で述べたものです。

(香川県 淀谷圭三郎教育長)
「あす担当課のほうでお話を聞く機会は設けたい。(きのうの民間団体の会見で)安全だという内容もあったので、そういうことはやはり一回、いろいろ聞いてみる必要があるかなと」

世界的建築家の丹下健三が設計した「船の体育館」と呼ばれる旧県立体育館です。文化的価値が高いと評価される一方で、耐震性を理由に2014年に閉館。県は利活用の方策を慎重に検討しましたが実現に至らず、約10億円の公費をかけて解体することを決めています。これに対し、きのう(26日)…。

(旧香川県立体育館再生委員会 上杉昌史副委員長)
「建物の崩壊はない、液状化による沈下もほぼないということなので協議する時間はあります。まずは一度立ち止まってほしい」

建物の保存を訴える建築家らでつくる「再生委員会」は、県が懸念する耐震性について最新の知見を示し、県教委に「協議の場」を求めていました。淀谷教育長は、安全面で「詳細を聞きたい」としながらも、「県の方針について、ていねいに説明を尽くしたい」と解体の姿勢を崩しませんでした。

(香川県 淀谷圭三郎教育長)
「2年半前に(解体の)方針を決めて、記録保存をしますということもお話しながら、いろんな準備手続きをずっと進めてきた。ひとつひとつ積み上げてきて今があるという、そういうふうな受け止めをしていただければ非常にありがたいです」