明治時代の銀行員の”血の誓約書”が話題となっています。
◆誓約
「当銀行に従事する者本行の金円を盗用し又はことさらに人をして窃取せしめたるものは私財を挙げてこれを弁償しそして自刃す」

高知市に本店を置く四国銀行の前身となった第三十七国立銀行の行員が、1886年3月に署名した血判誓約書の一部分です。
どういう経緯や目的で作成されたものかは記録が残っていないということですが、銀行のお金を横領したら私財で弁償したうえ自刃(自害)するという意味の誓約書で、これを誓った当時の行員23人の名前の下には茶色く色褪せたシミがあります。

これが署名した人物の”血”だということです。
高知市の高知城歴史博物館の「お金がないから藩札・私札~土佐と四国の地域通貨~」という江戸~明治時代の通貨を紹介する企画展の中で、公開されています。(※一般公開は初めてです。)

▼高知城歴史博物館・高木翔太学芸員
「前段には第三十七国立銀行における状況が書かれていて、銀行というものは、世の中の人の信用を得るような仕事をしなければならない、しかしそれが乱れている、それを受けて我々は自害するくらいの覚悟で仕事をしていきますという誓約をしている」
四国銀行によりますと、この誓約を破り、自害した人物がいたかどうかはわかっていないということですが、少なくとも”自害した記録は残っていない”ということです。

この血判誓約書のレプリカは、四国銀行本店の応接室に飾ってあるということですが本物は金庫にしまわれていて、ふだん人目に触れることはないということです。
全国的に銀行員の不祥事が相次いだ時期にSNSで話題となり、今回公開に至りました。

銀行員としての覚悟を感じられる貴重な資料をご覧になってはいかがでしょうか?(企画展は8月31日まで)