被爆80年、広島の夜に新しい試みです。広島市の元安川のとうろう流しに合わせ初めて相生通りの車道の一部が歩行者に開放されました。
車道が開放されたのは、平和公園北側の相生橋西詰からおりづるタワー前の相生通りおよそ300mです。

田村友里アナウンサー
「片側3車線のうち歩道から1・5車道分が歩行者に開放されています」

元安川の灯篭流しに合わせて午後7時半から2時間、一般車両の通行を規制しました。バスや路面電車は徐行運転で通ることができます。

音楽通り沿いでは平和の祈りを演出しようとレクイエムが演奏されました。ことしは被爆80年で、例年より来訪者が多いことに加えて、近くにあるエディオンピースウイングでは、サッカーのナイター試合もあって、周辺の混雑が見込まれていました。そこで、安全を確保して追悼と平和への祈りを広げてもらおうと、初めて通行規制が実施されました。

通行していた男性
「車や電車の音が余りないので静かでよかった」
通行していた小学5年生女子
「毎日だと大変だけど、土日とかに一定の時間にできたら面白くなると思います」通行していた男性
「すごくウォーカブルな街に近づいたと思います。渋滞対策と両立してこういった取り組みが進んでいけばいいかな」
取り組みは、県や広島市、そして、「カミハチキテル」など街づくり団体で作る実行委員会が実施しました。

「カミハチキテル」は、去年4月相生通りの将来像を広島市の松井市長に提言しています。昨夜のように一般車両の通行を制限してバスや路面電車など公共交通機関のみとする「トランジットモール」と、歩行者が集える公園「パーク」を組み合わせた「トランジットパーク」構想です。

カミハチキテル・若狭利康代表
「未来の相生通りを見たような感じで感激しました。いろいろアンケートもとりましたし、交通量調査もやってその結果を広島市さんと話をしながら今後に続けて、車社会から人中心のウォーカブルな通りを実現するために、続けていきたいです」

周辺の渋滞対策など課題は残りますが、「カミハチキテル」は、今後も検証を続けていきたいとしています。