日米両政府の合意で、今月7日からアメリカへの多くの輸出品には15%の関税がかかります。そのため、逆風を受けそうなのが、アメリカで人気が高まっている日本酒なんですが、ビジネスチャンスもあるということです。一体なぜでしょう?
ニューヨークの中心部にある焼鳥店。多くの客が楽しむのが、日本酒です。
「日本酒は(和食店で)よく飲むよ。久保田は、ずっと飲んでるね」
「飲みやすくて、オレンジのような味もして、とても美味しい」
しかし、いま、ある心配が…
「今回の関税は、課すべきではないと思う。(関税発動後は)もう少し安い日本酒を選ばないといけないかも」
アメリカに輸入される日本酒には、従来、わずかな関税しかかかっていませんでしたが、4月以降は10%に上昇。今月7日から15%と、さらに上がります。
こうした中、あるお酒に注目が…
記者
「こちらの会場では、SAKEを広めようと現地の方向けに試飲会をおこなっています」
酒造大手の獺祭はおととし、現地のコメなどを使い、ニューヨーク州で生産を開始。今回の関税引き上げの影響について聞いてみると…
獺祭 桜井博志 会長
「追い風になるでしょうね。はっきり追い風になるだろうと思います」
ビジネスチャンスだと力を込める獺祭のトップ。
現在、日本からの輸出品と現地生産品は、ほぼ同じ価格帯ですが、関税引き上げで消費者などの心理的なハードルが上がり、現地生産品の競争力が高まると考えています。
獺祭の営業担当者も最近の営業活動に手応えを感じているといいます。
DASSAI USA 橋田真希子さん
「徐々に販売数が増えていっていると思います。獺祭Blueに関しては、ローカルで作っているし、ブルーオーシャン(競合相手が少ない)なので、どんどん推していきたいと思います」
飲食店側は…
Yakitori Torishin 久和紘士マネージャー
「(お酒の)値段を変えることなく客に出せるというのは、すごく強みかなと思っています」
5年前から市内で酒造りを始めたカト・サケ・ワークス。小規模事業のため、関税の影響で売上が増加するとは見ていませんが、SAKE作りの盛り上がりに期待しています。
KATO SAKE WORKS 加藤忍オーナー
「ブルックリンで作ってるから飲みたいねと、ストーリーで買っている方が多い。ローカルで作ってるんだよという(獺祭などとの)絆はあると思います」
熱気を帯びている現地生産のSAKE。大手メーカーが見つめるその先は。
獺祭 桜井博志 会長
「ここ(アメリカ)がショールームとして、非常に世界(市場)にとって大事になってきます。品質・グレード・ブランドで買っていただける商品になっていきたい」
世界に広がるSAKE人気は、関税問題を乗り越えていくことができるのでしょうか。
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