福岡県の田川市と大任町に出された情報公開請求の内容が、当時総務大臣を務めていた武田良太氏の秘書に漏れた問題。
情報公開請求したネットメディアの記者が、田川市と大任町に損害賠償を求めている裁判をめぐり、田川市議会は24日、裁判所が示した和解案を受け入れるための議案を可決しました。
和解案は、請求の事実が「大任町、または田川市から伝わった可能性が否定できない」ことを認める内容で、次回8月7日の協議で成立する見通しです。
ネットメディア記者が情報公開請求→翌日、武田元総務大臣の秘書から電話

この裁判は、4年前ネットメディア「ハンター」の記者が、田川市と大任町に対して行った情報開示請求の内容が、当時総務大臣を務めていた武田良太氏の秘書に漏れたとして、田川市と大任町に損害賠償を求めているものです。

訴状などによると、記者が田川市と大任町に公共事業について施工体系図や業者の選定が分かる文書などの公開を求めて、情報開示請求を行いました。
その翌日当時総務大臣を務めていた武田良太氏の秘書から、記者に請求の取り下げを求める電話がかかってきたということです。
秘書、裁判で電話をかけたことを認める

6月に行われた弁論では、武田元総務大臣の秘書が証人として出廷し、記者に電話をかけて請求を取り下げるよう求めたことを認めました。
福岡地裁が和解を勧告

その後、福岡地裁が、「情報公開請求の事実が、大任町または田川市から武田氏の秘書に伝わった可能性が否定できないことを認める」ことを盛り込んだ「和解」を勧告していました。
田川市議会 和解のための議案を可決
これを受け田川市は24日、裁判所の和解案を受け入れるための議案を議会に提出し、議会はこれを可決しました。
記者と田川市の間では、8月7日の協議で、和解が成立する見通しです。