アステラス製薬の日本人男性社員に実刑判決が言い渡されたことについて、中国外務省の報道官は「合法的な経済活動に対しては良い環境を提供している」と主張しました。

中国で拘束され、スパイ罪で起訴されたアステラス製薬の60代の男性社員に対し、中国の裁判所は、スパイ活動を行ったとして懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。

判決を受け、金杉憲治大使は「日本人の拘束は日中間の人的往来を阻害する最大の要因の一つである」と苦言を呈しました。

これに対し、中国外務省の林剣報道官は16日の記者会見で「中国は法治国家であり、法律に基づいて案件を処理している」と述べたうえで、次のように主張しました。

中国外務省 林剣 報道官
「中国側は一貫して日中間の経済貿易協力を支持し、日系企業や関係者の合法的な経済活動に対して、良い環境を提供している」

また、林報道官は「法律を遵守し、法律に基づいて就業すれば、何も心配したり不安に感じたりする必要はない」と述べました。

しかし、今回の裁判はすべて非公開で行われ、具体的にどのような行為がスパイ罪に問われるのか明らかにならなかったこともあり、中国で活動する日系企業の間で広がっている不安の払しょくには至っていません。