景気の低迷やアメリカとの貿易摩擦にあえぐ中国。そんな中、政府が打ち出したのが「銀髪経済」です。経済復活の起爆剤となるのでしょうか?
人々が行っているのは太極拳。カラオケを楽しむ人も。さらに麻雀をしている人も。
女性は50代、男性は60代で定年を迎える中国。実はこれ、こうした人たち向けの観光専用列車なんです。
中国各地を17日間かけてゆっくりと楽しむ旅。急な体調の悪化に備えて医務室も完備され、医師も常駐しているのです。
記者
「観光専用列車なんですけど、しっかり個室が備わっています」
費用は個室利用でおよそ117万円と高額ですが、チケットは完売という人気ぶりです。
50代
「値段相応の価値があると思います。値段は高いですが、サービスや設備が充実しています」
「私たちはリタイアして時間があるし、自由に使えるお金もあるので、行けるところは全部行ってみたいです」
中国の60歳以上の人口はいまや3億人超え。人口の2割以上を占めていて、まさに超高齢社会を迎えようとしています。
そんな中、消費の縮小やアメリカとの貿易摩擦などの影響で景気は低迷。きょう発表されたGDP成長率も減速しています。
巻き返しを図る中国政府が打ち出したのが「銀髪経済」というキーワード。急増するシルバー世代をターゲットにして消費を刺激しようというのです。
北京市内ではシルバー世代向けのダンス教室も開かれています。教室を運営する劉菁さん(34)は金融業界で働いてきましたが、2年前、会社を辞め、起業しました。
今のシルバー世代は高度経済成長の恩恵を受け、経済的に豊かな世代だといいます。
ダンス教室を運営 劉菁さん
「(売上は)北京市内ではおおむね好調で、これから全国に展開するつもりです」
日本企業も「銀髪経済」をビジネスチャンスと捉えています。パナソニックは中国で高齢者をターゲットにした住宅およそ1000戸を3年前から販売。足が不自由な人のための浴室や自動で尿検査ができるトイレなどが好評で、すでに8割が売れているということです。
「銀髪経済」は10年後には、およそ610兆円という巨大市場が見込まれています。
果たして中国経済の復活につながるのでしょうか?
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