日中戦争の発端となった盧溝橋事件から88年となるきょう、北京郊外の戦争記念館で記念式典が行われました。

中国国営の新華社通信によりますと、北京郊外の盧溝橋の近くにある中国人民抗日戦争記念館で行われた記念式典には、中国共産党の最高指導部で序列5位の蔡奇政治局常務委員のほか、元兵士や遺族などおよそ600人が出席しました。

蔡奇氏は演説で「88年前のきょう、日本の軍国主義が盧溝橋事件を意図的に引き起こし、無謀にも侵略戦争を仕掛けた」と指摘。中国共産党は「抗日戦争の最前線で勇敢に戦い、進路を導き、全ての民族の抗日戦争の支柱となった」と主張しました。

今年は「抗日戦争勝利80年」のため習近平国家主席が出席するとの見方がありましたが、習氏は出席せず、国営中央テレビでの中継もありませんでした。

中国政府は今回の記念式典のほか、抗日戦争勝利記念日の9月3日に北京で軍事パレードを行うなど、「抗日戦争勝利80年」をテーマにした記念行事を各地で開催する計画です。

北京の日本大使館は、きょうの盧溝橋事件の日など「日中間の歴史にかかわる日は特に注意する必要がある」として、中国に滞在する日本人に「大声で日本語を話さない」「集団で騒がない」など、安全確保に努めるようウェブサイトなどで警戒を呼びかけています。