新潟県 上越市で農業に欠かせないあるものの盗難が相次いでいます。狙われたのは“鉄製のふた”。暑さや資材の高騰と闘いながらコメ作りに励んでいる農家は、「どうしてこんなことを」と悔しさをにじませています。
上越市 諏訪地区です。

田んぼのすぐそばに“あるはずのもの″がありません。田んぼに水を送る給水栓を保護するための「鉄製のふた」です。

【記者リポート】「被害に遭ったのはこちらの場所だけではありません。道路の反対側、少し歩いてみますと…この場所でも本来あった鉄製のふたがなくなっているのがわかります」ふたは、給水栓を日光や雪から守るために設置されています。

被害に遭った農家の一人、上島俊明さんです。
【被害に遭った農家上島俊明さん】「これが毎週毎週って感じでなくなっている」

「やっぱり悔しいのと、どうしてこういうことするのかなって」

関川水系土地改良区によりますと、今月13日から16日にかけて、諏訪地区で鉄製のふた合わせて20枚の盗難被害が発覚。

実はこの周辺では先月下旬にも少なくとも15枚のふたが盗まれたばかりだったのです。被害に遭った場所には“ある特徴”が…
【関川水系土地改良区 業務課 倉重嘉之 副課長】「大体まとまって被害に遭っている。なるべく住宅から離れているような場所が主に被害に遭っている」

さらに…
【関川水系土地改良区業務課倉重嘉之副課長】「(給水栓は)もともと水管理のための施設なので、道路からすぐ行ける場所にないと(農家の)作業効率も悪くなる。盗難する側からしたら、盗難しやすい状況になってしまっているのかなと」
ふたは新しいものにすると1枚1万円ほどかかり、総額およそ36万円に上るということです。

【被害に遭った農家上島俊明さん】「(農業に)本当に経費がかかっていますし、こういうちょっとしたことが気にかかるというか、腑に落ちないというか。持って行ってその先どうするのだろうか、売ったりするのか…」

農家らは警察に被害届を提出。

土地改良区は、ふたを撤去して自宅で保管したり、鉄製ではない代替品を使ったりして対策するよう呼び掛けています。
