89歳で亡くなった”ミスター”長嶋茂雄さん。プロ野球巨人軍の選手時代と監督時代に、広島遠征で泊まっていた旅館の大女将から、お話を聞くことができました。
旧世羅別館大女将 高田泰子さん
「びっくりして本当に悲しかったです、まだ私より若いのに…」

広島市中区にあった旅館「世羅別館」の大女将、高田泰子さん(93歳)です。(世羅別館は2022年に閉館しています)長嶋さんは、1980年ごろまで巨人軍が遠征の時に宿泊していました。選手時代は、若く有望な選手と二人部屋で、客室で指導をしていたそうです。
旧世羅別館大女将 高田泰子さん
「バットを振ったりとか、部屋によく穴が開いていた。へこみができるのに困っていた」
監督時代は監督専用の部屋にこもって戦略などを練っていたようです。旅館には、長嶋さん自身が持ちこんだ浴衣が常備されていました。

旧世羅別館大女将 高田泰子さん
「大きいですよ、体格がいいからね」
写真撮影にも気さくに応じ「優しい人」という印象だった長嶋さんですが、試合の日は旅館に、手袋やメモ帳などの忘れ物をしていたようです。
旧世羅別館 高田泰子さん
「本当に必ず……私が持って行く、タクシーで。だから球場の人も、また忘れ物ですかと」

長嶋さんは高田さんに夢を語っていました。
旧世羅別館大女将 高田泰子さん
「ずっと前の話ですけど、王さんと長嶋さんと中日の星野さんの三人が、広島へ,年を取って辞めたら、マツタケを採りに行くと、マツタケご飯をしてくださいねと言われていたのですが…」

夢は実現しませんでした。高田さんはとにかくゆっくり休んでほしいと話します。
旧世羅別館大女将 高田泰子さん
「ずーっと10何年ですからね、旅館に来ていたのが。本当にありがとうございました。いつも心の中にあるんですよ」