今年の夏、八代海で発生し熊本県内で過去2番目となる被害をもたらした赤潮。
その危機を経て養殖業者がこれから旬を迎えるフグの出荷を始めました。
11月1日の朝、天草市の沖では、フグが次々と船に上げられていました。
出荷が始まったのは、うまみ成分が多いことを売りにしている養殖トラフグの『六福(ろっぷく)』です。

八代海では、今年7月から約2か月間赤潮が発生し、4つの市町村であわせて約122万匹の養殖魚が死にました。

この養殖業者でも約4万5000匹のフグが死に、生き残ったフグも1か月近くエサやりを止めた影響で、どんどんやせ細っていったといいます。

ふく成 平尾福成さん
「相当な被害だったと思います、そしてそのあとに台風でしょ、すごかった」
「赤潮の後遺症で、9月 10月も結構、ぼちぼち死んでる」

エサの量を調整するなどしてようやく出荷の日を迎えました。
今年は例年より1割少ない1万8000匹の出荷を見込んでいます。

水揚げされたばかりのフグが熊本市内に運ばれてきました。

このあとイケスで一晩休ませたフグは、毒のある部分が取り除かれ、県内の飲食店や全国に届けられます。


ふく成 平尾有希さん
「例年よりは一回りちょっと小さくはなるけど、ガリガリの状態からここまで大きくなってくれたので本当にうれしい限りですね」

ふく成 平尾有希さん
「『国内産のフグじゃないといけない』というお客様がたくさんいらっしゃって、
私たちも(その声を)糧に頑張れたので」

ただ、これで問題が解決したわけではありません。