福島県喜多方市にある菜の花の名所では、この春、異変が起きています。例年この時期に見頃を迎えますが、今年は、記録的な大雪の影響で開花が遅れていて、市の担当者も「初めてのケース」と頭を悩ませています。

小枝佳祐記者「喜多方市の三ノ倉高原です。毎年この時期は菜の花が咲き、あたり一面黄色一色となっているはずですが、今年はまだ開花していません」

東京ドームおよそ2個分の面積がある三ノ倉高原。9日、取材をするとあたり一面青々としています。1年前の5月9日は、菜の花が咲き誇り、黄色のじゅうたんが広がっていました。毎年この時期は、350万本が見頃を迎え、訪れる人たちの目を楽しませていますが、今年は生育が遅れ、まだ小さな葉の状態です。

ネパールから来た女性「本当は黄色い花(菜の花)を見るために来ていたけど、まだ咲いてないから残念でした」

例年にない異例の事態、その原因は…。

喜多方市熱塩加納総合支所 産業建設課・鈴木理規主査「大雪の影響が残っていて、4月まで雪が大分積もっていたんです。その影響が大きかったとみられます」

原因は、会津を中心に襲った記録的な大雪です。喜多方市によりますと、三ノ倉高原の積雪は、例年1メートルから2メートルほどですが、昨シーズンは、3メートル50センチほど積もったといいます。

鈴木さん「4月は2メートルほどの雪が積もっていたので、さすがに2メートルの雪を割って菜の花は出てこないですね。このようなケースは初めてです」

三ノ倉高原では、当初、7日からイベントを開催予定でしたが、この影響で開催日が14日からと1週間後ろ倒しになり、一部の催しが中止となりました。

気になる開花時期ですが、市によりますと現在のところ、見通しは立っていないということです。三ノ倉高原には、毎年2万人以上の観光客が訪れるということで観光への影響が心配されています。喜多方市では、菜の花が開花しなくてもイベントは、開催することにしています。