特集は、SDGsの取り組みを紹介するシリーズ「未来へつなごう福の島」。今回は、11番の「住み続けられるまちづくりを」に関わる取り組みです。

福島県の人口は、東日本大震災前は200万人を超えていましたが、9月1日現在では、およそ179万人と戦後初めて180万人を割り込みました。


人口減少に歯止めをかけたいという思いから始まったのが「ふくしまお試し移住村」です。移住を希望する人を支援する新たな取り組みに注目しました。

10月11日。東京から磐梯町に1人の男性がやってきました。大関真幸さん(40)。県内への移住を検討している大関さんは「お試し移住村」を利用し、磐梯町へやってきました。


「ふくしまお試し移住村」とは、県内にあるいくつかのエリアをまとめた仮想の村で、県が今年8月に新たに始めました。

「お試し移住村」では、希望する滞在の「期間」や「スタイル」をもとに、移住相談員が移住希望者の興味や体験したいことなどを聞き出し、最適なプランを作ります。


体験エリアでは、地域おこし協力隊員が「案内人」となり、移住前から継続的に支援します。

これまでは、「移住する場所の提供」がメインだった移住支援。大きく変えたのには理由がありました。

県企画調整部地域振興課・齋藤真美さん「コロナ禍で地方移住への関心が高まっている一方で、急ぎ足による地域と移住者のミスマッチが起きている。大きなデメリットとなるのでそういったことを防ぐために開始した」


県のまとめでは、県内の移住者は昨年度、2333人と過去最多を記録。一方で、移住はするものの数年で離れてしまうケースが多いことが課題となっています。

今回、移住村を利用した大関さんの希望は「狩猟」。

大関さん「狩猟免許をとった。なぜかというとジビエとか食べて生活してる人見ていてかっこいいなと思った。やるなら移住するか、二拠点生活してやるしかないかなと思った」

村の案内人・蛯名有里さん「村民カードです。」

仕事や趣味などが記された自己紹介カード。地域の人に配るため「移住村」の利用者に渡されます。


この日は、移住村の案内人が町の鳥獣対策に取り組む団体と連絡をとり、一緒にパトロールに行かせてもらえることに。

磐梯町農林課・森谷祐輝さん「この奥に箱穴というのが仕掛けてありまして、そこにエサを撒いて動物を引き寄せている。万が一、クマとかいたら危ないので鉄砲を持ってパトロールする」


森の中を進んでいくと、イノシシ用のわなです。

大関さん「これを見ることはほぼない。普段の生活で見ることはないので」

エサにつられてわなに近づいたイノシシの足跡も見つけることができました。