青森県が開発したコメで最高評価の「特A」を初めて獲得したブランド米「青天の霹靂」がいま、九州の大分県から注目されています。全国各地に米どころがある中、本州最北の地・青森に視線が注がれる理由は宇宙に関係していました。

小型人工衛星を積んだロケットを飛行機に搭載して上空で水平方向へと切り離す打ち上げ方法。天候に左右されにくく燃料も削減できるこの方法で宇宙へ行くアジアで初の「水平型宇宙港」を目指しているのが大分県にある大分空港です。



これを機にいま、大分県全体で宇宙関連ビジネスの創出に取り組むなか、そのヒントを求めて、大分県の玖珠町(くす・まち)から宿利政和(しゅくり・まさかず)町長たちが青森県を訪れていて、21日は、県産のブランド米「青天の霹靂」を栽培している藤崎町の横山英樹さんの水田を視察しました。

すでに刈り取りが終わっているにも関わらず視察に訪れた目的は、横山さんのスマートフォンにありました。画面を見せてもらうと表示されていたのは、「青天の霹靂」の生産支援アプリ「青天ナビ」です。衛星データを活用することでスマートフォン1つで刈取り適期や生育状況を確認でき、青森県が開発し2016年から運用してます。8年連続で食味の最高評価「特A」を獲得している「青天の霹靂」の栽培を宇宙から下支えする画期的なツールに玖珠町の宿利町長は興味津々の様子です。


※「青天の霹靂」生産者横山英樹さん
「経験と勘だけでものを言うと耳うるさく感じる若い人たちもいますので、青天ナビで科学的根拠・エビデンスを裏付けるようなものがあると若い人たちの説得力もいくらかは出てくる」
玖珠町(くす・まち)は、青森から1600キロ以上離れた大分県の中西部にある人口1万4000人あまりの町で、米づくりが盛んです。9月には、宇宙ビジネスのプロジェクトチーム、「アポロ」と「ビッグバン」を庁内に立ち上げ、衛星データを活用したブランド米の生産を目指しています。


※大分県・玖珠町宿利政和町長
「(青天ナビの)スマートフォンも操作も簡単だということで高齢者にも使ってもらいたいと思う。地域があって生産者があって、それがブランド化につながっていって安心、安全なよりおいしいお米を消費者に届けられれば良いと思う」
町は、早くもブランド米の名称を「くす天空(てんくう)の輝き」と発表し、「青天の霹靂」を手本にした宇宙米の誕生へ動き出しています。