主に本人確認やコンビニエンスストアでの証明書の取得、健康保険証としても使えるマイナンバーカード。13日、2024年秋の保険証の原則廃止が発表され、今月には制度の見直しもあった保険証代わりのマイナンバーカード=「マイナ保険証」の現状を取材しました。


2021年10月に本格導入され、2024年には完全に保険証の代わりとなる「マイナ保険証」


※高松未由樹 記者
「マイナ保険証が使える薬局です。保険証の代わりにマイナンバーカードをこちらの専用のカードリーダーにかざして、保険情報を読み取ります。」


薬局では患者の氏名や住所、保険証の種類や番号を手作業でパソコンに入力していましたが、マイナ保険証の場合にはカードから読み取れるためこうした作業は不要となります。マイナ保険証の利用者は国民の2割と言われている中、こちらの薬局では、今年7月に導入を始め、現在は県内38店舗中23店舗で対応しています。


※ハッピー調剤薬局青森観光通り店 渡辺楓 管理薬剤師
「健康保険証以外にも今まで公費(負担)がある方は上限管理表を持って来なければならなかったので、1つにまとまるとなると利便性は高くなる」


ただ、マイナ保険証は暗証番号もしくは顔認証による本人確認が欠かせないため専用のリーダーが必要で、さらに医療機関の場合にはカルテの電子化も必要で、国の補助金が使えるとはいえ設備投資が負担となります。これが影響してか、青森県内でのマイナ保険証への対応は、薬局は全体の6割を超えていて多くの所で使えますが、病院と歯科医院では約3割にとどまっています。


こうした中、厚生労働省は医療機関などの負担を補うため、患者が払う追加負担の金額をこの10月に改定しました。マイナ保険証に対応した医療機関や薬局では患者が窓口で払う追加負担が医療費の自己負担3割の場合、9月まではマイナ保険証の方が現在の保険証より高く設定されていましたが、10月からはマイナ保険証の負担が減額されて初診で6円、調剤で3円、現在の保険証の負担が増えて初診で12円、調剤で10円となり、逆転しました。ただ、マイナ保険証に対応していない所ではそもそも追加の負担がなく、制度は複雑です。


※ハッピー調剤薬局青森観光通り店 渡辺楓 管理薬剤師
「高齢者は特に機械の操作がそもそも慣れていない方がいるので、受け付けのときにしっかり対応できたらと思っています」


政府は2023年4月からマイナ保険証に必要なシステムの導入を医療機関に義務付けています。