岩手県大船渡市の山林火災。市は9日、延焼のおそれがなくなったとして「鎮圧」を宣言。10日午前、すべての避難指示を解除しました。

避難指示すべて解除 「早く仮設住宅を」

午前10時、避難所に待望の知らせが。

アナウンス
「市内の避難指示は全て解除されました」

大船渡市の山林火災の発生から13日目。10日、すべての避難指示が解除されました。最後まで対象になっていたのは、約2400人。

避難していた人
「ひとまず安心です。全国から(消防に)集まってもらって感謝です」
「家がどうなっているか不安。家のそばまで火が来てたから」

避難指示が解除されたことで、被害が大きかった地区にカメラも入りました。

記者
「背後には山林火災が延焼し、焼け落ちてしまった家々が連なっています。辺りには焼け焦げた臭いが漂い、上空から散水するヘリコプターの音もやむことがありません」

家の焼け跡を確認する住民たち。今回の火災では建物210棟の被害が確認されていて、そのうち102棟(全壊76棟)は住宅だということです。

こちらの男性の自宅も、炎に包まれました。

自宅が焼けた男性
「心のどこかで(自宅は)燃えないというのがあった分、ショックは大きいですね」

奪われた生活の基盤。

自宅が焼けた男性
「早く仮設(住宅)をね、仮設(住宅)なり復興住宅が空いているのであれば、そちらの方に入れていただければ」

大船渡市の面積の9%にあたる2900ヘクタールを焼き、巻き込まれたとみられる男性1人が死亡した山林火災。先週水曜日の雨で、火の勢いが収まり…。

大船渡市 渕上清 市長(きのう)
「延焼拡大の危険がないと判断したことから、本日ここに鎮圧を宣言します」

9日、市は延焼のおそれがなくなったとして「鎮圧」を宣言。今後は消えた火が再び燃えだすおそれのない「鎮火」の状態にするべく、消火活動を続けることにしています。