アメリカのトランプ大統領がイランに対して核開発をめぐる交渉を呼びかけるなか、イランの最高指導者ハメネイ師は「威圧的な政府の交渉は、支配を目的としたものだ」として、交渉を拒否する姿勢を示しました。

イランの最高指導者ハメネイ師は8日、テヘランで演説し、「威圧的な政府の交渉は、問題解決のためではなく、支配を目的としたものだ」と述べました。

アメリカを名指しはしなかったものの、トランプ大統領が、ハメネイ師に対し核開発をめぐる交渉に応じるよう呼びかける書簡を送ったと話したことを念頭にしたものとみられます。

そのうえで、ハメネイ師は、「彼らは核問題だけでなく、新たな要求も突き付けるだろう」と述べ、イランのミサイルの射程や地域への影響力に制限を課すことが狙いだと指摘し、交渉の呼びかけを拒否する姿勢を示しました。

イランの核開発をめぐっては、2015年にイランが核関連活動の制約を受け入れる「核合意」が締結されましたが、2018年に1期目のトランプ政権が一方的に離脱し、以降、機能不全に陥っています。