弘前市民の台所、虹のマートに9月、1軒のカフェがオープンしました。オーナーを務めるのは新型コロナの影響を受け、東京でデザイナーとして活動することをあきらめ、Uターンした女性です。女性が、ふるさとで再起の一杯に込めた思いとは。

鮮魚店などが立ち並ぶ弘前市の虹のマートに9月10日、オープンした「れいんぼうかふぇ」。オーナーを務めているのは、地元出身の小山萌(こやま・もえ)さん25歳。丁寧にドリップした本格的なコーヒーなどを提供しています。


温かな一杯をいれる小山さんにはもう一つの仕事があります。デザイナーです。15歳で親元を離れてデザインを学んだあと、東京の企業に就職して建物の内装などを手がけてきました。大きなやりがいを感じていた矢先、暗い影を落とし始めたのがコロナ禍でした。


※れいんぼうかふぇ 小山萌オーナー
「直接現場に行ってやりとりしてその場で作業するという仕事のやり方に、魅力を感じて入社した会社なのに、コロナになった影響で働き方変わってそれが無くなってしまったのにギャップを感じて」

精神的に落ち込んだ小山さんは、おととし、弘前へUターン。約8年ぶりに暮らし始め、あらためて、地元・弘前の魅力に気付いたといいます。


※れいんぼうかふぇ 小山萌オーナー
「(地元の人は)話していても距離感近いし、やろうと思えばすぐに行動に移せる人たちが多いから、そこはすごく魅力というか何か物事を始めるのに向こうよりやりやすい」


地元の人と触れ合っているうちに生まれた新たな夢。それが、コーヒーをいれる趣味をいかしてカフェをオープンさせることでした。いまでは、小山さんがいれる一杯は、市場を訪れる人の癒しになっています。

※訪れた人は「ご飯もいっぱい食べられて、そのままコーヒー飲んで帰れるので、すごく良いと思う」「すごく私好みでした。酸味嫌いなのできょうのコーヒーおいしかった」


こうして積み重ねた日々は小山さんにとっての大きな喜び、そして誇りとなっています。

※れいんぼうかふぇ 小山萌オーナー
「次お店やりたいけど誰に相談すればよいかわからなくて、始められないでいる人に次は自分が教えてあげて、どんどんそれが回っていって弘前が盛り上がる結果になれば」

小山さんが、ふるさとでいれる再起の一杯には訪れる人に癒しや勇気を届ける存在でありたいという強い思いが込められています。