2019年の台風19号では、福島県内の広い範囲で阿武隈川が氾濫しました。阿武隈川が流れる玉川村など周辺の自治体では、遊水地を整備する新たな治水計画が進められています。その効果と直面している課題を取材しました。
阿武隈川上流緊急治水対策出張所・中野孝所長「対岸の鏡石町、矢吹町、こちら玉川村の3町村にまたがり、この農地などを遊水地の整備として今、事業を進めているところであります」
3年前、台風19号による記録的豪雨で阿武隈川とその支流の堤防合わせて31か所が決壊し、県内の広い範囲に大きな被害をもたらしました。被害を受け、国などが2020年から進めているのが「阿武隈川緊急治水対策プロジェクト」です。
計画では、阿武隈川が流れる鏡石町、矢吹町、玉川村の流域に、増水した川の水を一時的に溜める遊水地を整備することにしています。遊水地の面積は、合わせて350ヘクタールに上り、豪雨災害があった際、洪水被害を最小限に食い止めれると期待されています。
一方で課題も…。
高橋広季アナウンサー「遊水地の整備をするうえで課題となっているのが、計画地となっている用地内で現在、暮らしている方が移転を余儀なくされていることです」
遊水地の予定地となっているおよそ150戸が移転の対象となっていて、地権者は630人ほどにのぼります。
計画予定地で暮らす小林彦次さんは、複雑な思いを口にします。
小林彦次さん「確かに水害から身を守るためには遊水地は必要だと思いますが、住民の声を聞いていただいて国の方針を進めていただきたいというのが本音だと思う」
阿武隈川上流緊急治水対策出張所・中野孝所長「様々な意見についてお一人お一人から意見をお伺いして、丁寧にお答えしながら遊水地整備をご理解いただけるように説明を重ねていきたいと思っています」
国は、用地取得に向け11月から個別交渉を行い、2023年度から本格的な工事に着手する計画する予定です。
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