ウクライナ侵攻から3年、今も激しい戦闘が続いています。前線では欧米などから供給された兵器が使われる一方で、敵を欺く「ダミー兵器」が活用されています。一体、どんなものなのか取材しました。

これはロシア軍の爆撃機がウクライナの空軍基地を攻撃し、戦闘機を破壊したとされる映像です。しかし、ウクライナ空軍司令部は…。

ウクライナ空軍司令部
「戦闘機や防空システムのダミーを作る人に感謝。ロシアのミサイルは減り、ダミー兵器は増やされる」

ウクライナの前線で活用されているという「ダミー兵器」は一体、どんなものなのか。中央ヨーロッパのチェコにある開発業者を訪ねました。

ダミー兵器製造「インフラテック」 フレッサーCEO
「空気で膨らむダミー兵器をお見せします。一種の兵器ですが、発砲はせず、殺すのではなく、人も守るための兵器です」

早速、ダミー兵器を見せてもらいました。

記者
「今、空気が入り始めました。すぐに膨らんできました」

現場で作業をするのは3人ほど。ダミー兵器を広げて空気を入れていきます。そして、5分もすると、一気に大きくなり、戦車のような形のダミー兵器が完成しました。

記者
「こちらはK-9という戦闘車両なんですが、大きさは本物とまったく同じで、中には熱を発する装置が入っているということです」

本当にこれで敵の目を欺くことができるのでしょうか。

ダミー兵器製造「インフラテック」 フレッサーCEO
「このダミーは見た目を再現しているだけではないのです。内部には発熱量とレーダー信号を再現する装置があります」

ダミー兵器の内部には熱源だけではなく、本物と同じレーダー信号を発する装置がつけられていて、敵の戦闘機などに本物だと誤認させる構造になっているといいます。

守秘義務があり、どの国と取り引きしているかは明かせないとしていますが、ウクライナ侵攻以降、世界的に需要が高まっているといいます。

ダミー兵器製造「インフラテック」 フレッサーCEO
「攻撃のミスを誘うことで、本物の兵器と戦地にいる兵士を守ることができます」

戦場では、こうしたダミー兵器に攻撃させることで敵のミサイルを消費させたり、本物とダミーを両方配備して敵を錯乱させるなどの効果があるといいます。

ダミー兵器製造「インフラテック」 フレッサーCEO
「子どもが遊べるものを本当は作りたいのですが、それには平和な世界が必要ですし、それが私たちの夢です」

ダミー兵器は兵士の命を守ることに貢献する一方で、敵の居場所を見つけ反撃するためにも使われていて、戦闘はより複雑化しています。