タレントのスマイリーキクチさんが、いわれのない誹謗中傷を受けた自身の経験をもとに、言葉の責任について26日、富山市内で講演しました。

スマイリーキクチさん
「『私は消えろって書きました。そんなつもりじゃなかったんです。これ、(身元を)特定されるんでしょうか』そんな内容でした。じゃあ、どんなつもりだったんですか?人に対して『死ね』って書いて、本当に亡くなった。そんなつもりじゃなかった。じゃあ、どんなつもりで書いたんですか?」

こう話すのは、1990年代後半から毒舌漫才スタイルのピン芸人として活躍したスマイリーキクチさん。

この講演会は人権を尊重する社会を目指す富山市が言葉の責任について考えてもらおうと開いたものです。

スマイリーキクチさんは1999年に地元で発生した殺人事件の犯人だとインターネット上に書き込まれ、いわれなき誹謗中傷や殺害予告を10年に渡り受け続けました。

スマイリーキクチさん
「『てめえ、スマイリーキクチってお前のところの事務所にいるだろ!殺人鬼!なんで所属させているんだ!』そんな電話がずっとなる。前の日まで何もなかった。急に殺害予告とか誹謗中傷が400件くらい書いてある」

こうした中、間違った情報を正論と錯覚してしまう人がいる恐ろしさを感じたといいます。

スマイリーキクチさん
「『キクチ殺す!』って書いた女性は、『私デマにだまされた被害者です。あいつのせいで捕まった』って泣いたんです。僕を調べて『殺人犯許さない』って怒って、次は『あいつのせいで捕まった』って怒って」

こうした自身の経験から、加害者にならないために情報を拡散する前にその情報が正しいか確認すること、もし被害者になってしまったら誹謗中傷の内容を画像やデータにして、保存することなど対策を伝えました。

スマイリーキクチさん
「最初の投稿が借金だとしたら、リポストっていう機能とかコピーをする機能というのは『私は連帯保証人になります』っていう、そのぐらい重い責任があるということを、(SNSを)お使いになる方はぜひ周りの人にしっかり教えてあげてください」
