長崎市で2日午前、道路の一部が冠水しました。この日、長崎市で雨が1ミリも観測されていないにもかかわらず道路が水浸しになったのには、長崎港で春先に起きやすい潮位変化「あびき(副振動)」が影響しているとみられています。

こちらの画像は2日午前11時頃の長崎市宝町の様子です。道路や歩道が数十メートルにわたって冠水しました。
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こちらは同じ時間帯に、長崎市淵町で撮影されたものです。こちらも車やバイクのタイヤの高さほどに道路や歩道が冠水していました(視聴者撮影)
2日は長崎市で雨は降っていませんでしたが、長崎港で大きな潮位変化が観測されていました。

(出典:気象庁ホームページ)
オレンジ色の線が天文潮位、つまり、満潮と干潮の変化を示しています。そして青色の線が実際の潮位です。2日午前10時過ぎに満潮を迎えるころ、潮位が急激に変化していることがわかります。

潮位変化を詳しくみてみると、満潮を迎える午前10時過ぎに潮位が70センチ以上、一気に上昇していました。こうした数分から数十分の周期で海水面が昇降を繰り返す現象を、天文潮位の「主振動」に対して「副振動(あびき)」と呼びます。
長崎地方気象台によると、満潮の時間帯にあびき(副振動)による急激な潮位変化が重なったことで、道路の冠水が引き起こされたとみられています。

また「あびき」は過去にも市民生活に甚大な影響を与えました。