国民生活センターは、白髪染めやヘアカラーなどの「毛染め」でアナフィラキシーが起こることもあるとして注意を呼び掛けています。

旅行どころじゃない

国民生活センターが紹介している事例です。
――60代の人が旅行当日、自分で毛染めをし車で空港に向かった。到着した時点で次第に意識がもうろうとなった。空港の診療所で診てもらったところ「アナフィラキシーショックを起こしている」と言われ、救急車で近隣の病院に行き、抗アレルギー注射を打って事なきを得た。しかし、旅行には行けなかったしまだ体調がすぐれない。染める前にパッチテストはしていない。

ヘアカラーが引き起こす「アナフィラキシー」とは?

センターでは、ヘアカラーリング剤の中でも「酸化染毛剤」(ヘアカラー、ヘアダイ、白髪染め、おしゃれ染めなどと呼ばれる)は、アレルギー性接触皮膚炎を起こしやすい傾向があり、急性のアレルギーであるアナフィラキシーが起こることもあるとしています。

これまでに異常を感じたことがなくても、継続的に毛染めをするうちにアレルギーになることがあるとしており、酸化染毛剤を使用する際は、必ず毎回パッチテストをするよう呼びかけています。

平成27年消費者安全調査委員会の報告でも、「毛染めによる皮膚障害の事例は毎年度200件程度登録されており、直接的な原因は『酸化染毛剤』のヘアカラーリング剤である。直接的な原因は明らかであるにもかかわらず継続的に発生している状況にある」とされています。

美容院でも注意

美容院などで行う際も、酸化染毛剤により一度でも、かゆみ、赤み、痛みなどの異常があった人は、パッチテストもせずに、以後の使用は絶対にやめるようにしてください。

一度目のアレルギー症状が軽くても、使用し続けるとしだいに症状が重くなる場合があります。異常を感じた場合は使用を止めて医療機関を受診してください。