長野県内の企業が開発に携わった超小型電気自動車の試乗会が、坂城町で開かれました。

わずかな駆動音で進む可愛らしい車。

超小型のEV「クロスケ」です。

軽自動車よりも小さいミニカーというカテゴリーの車で、バイクと軽バンの間をイメージして作られました。

製品化へ向けた市場調査の一環として坂城町で12日に開かれた試乗会。

行政や企業の関係者などおよそ60人が参加し、乗り心地を確かめました。

参加者:
「スムース。全然普通の電気自動車と同じで」

nicomobi 竹村洋之プロジェクトリーダー:
「ひとりと荷物を積みましょうということで、この大きさの車にしては非常に大きなスペース」

クロスケは1人乗りで、車内のほとんどのスペースが荷物置き場になっています。

法律上は原付自転車の扱いのため車検は要らず、小規模な荷物の配送などでの利用を想定して作られました。

開発したのは自動車の部品製造などを手掛ける坂城町の都筑製作所など4社で、かつて自動車メーカーの日産でEV開発などに携わった竹村洋之さんが主導しました。

nicomobi 竹村洋之プロジェクトリーダー:
「軽自動車はだんだん歴史の中で大きくなっていて、軽自動車ほどに立派なものじゃなくても十分使える乗り物ってあるよね」

都筑製作所はクロスケの足回り部分の設計などを担当。

EVへのシフトが世界的に加速し、車に使われる部品が従来の半分に減ると言われる中、提案型企業への転換を目指し開発に参加しました。

都筑製作所・栗田有樹社長:
「お客様から図面を頂戴して、その通りにいいものを安く早く作るというのをずっとなりわいにしてやってきたが、自分たちの手で作ってそれを世の中に出すという業態にチャレンジしていこうと」

営業用の車や地域交通、訪問医療などの分野でも期待の声があるというクロスケ。

事業化のために量産できる車体を試作し、2025年秋ごろの完成を目指しています。