3年前、静岡県熱海市で発生した土石流災害について研究している土木技術者が、松山城の城山で発生した土砂災害の現場を訪れ、崩落した擁壁の設計に不備があったと指摘しました。
26日、松山城の土砂災害現場を訪れたのは、熱海市で2021年に起きた土石流災害の「被害者の会」で技術顧問などを務めた清水浩さんです。
(清水 浩さん)
「熱海の災害と非常に酷似しているなと。検証が本当の意味で正しく行われるかどうか。これが正しく行われないと、イコール被災された人への保障が正しく行われないことに直結するので」
熱海市の土石流災害では、川の上流部分に違法に設置された盛り土が大雨により崩れ、28人が死亡しました。
大手の設計会社に在籍し、これまでに土木構造物の設計を数多く手掛けてきたという清水さんは、城山の土砂災害を受け、工事の設計資料などを入手し、独自に検証を行いました。
その結果、崩落した緊急車両用道路の擁壁について、設計に不備があった可能性を指摘しました。
(清水 浩さん)
「令和6年に設計したとき、その(以前の設置工事の)設計じゃだめだということで、全部一度取っ払い、岩盤まで、支持層まで掘って擁壁をやり直す工事をやっているので、要は問題があるから工事をやり直すということなので、問題があったことを証明している」
その上で、いわゆる「土石流」が発生した原因について、擁壁の近くに設置されていた送水管が破断した可能性があるとの見解を示しました。
(清水 浩さん)
「方向性のある原因究明が始まっていることに対しては、すごい危惧を持っている」
清水さんは原因究明を目的として有識者らを集めた「技術検討委員会」を設置した県に対しても、資料開示を求める予定です。
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