新型コロナの感染拡大で、高齢者が入院できない事態が深刻化しています。
東京都がきょう発表した新規感染者は2万7453人。減少傾向にありますが、高齢の感染者は感染拡大のピークから遅れて増えるとされています。
その現状とは…。
都内で在宅医療を行う任医師。この日、訪れたのは、コロナに感染した高齢男性の自宅です。
文京根津クリニック 任洋輝医師
「入院の希望があったんですけど、(病院が)受けてくれなかった。同じような方が順番待ちしているような状況」
今月8日に感染したこちらの90歳の男性は「中等症」と診断されました。保健所を通じて入院の打診をしましたが、複数の病院から「難しい」と断られ、自宅で療養を続けています。
「結構つらそうですね」
血液中の酸素の値は90前後。酸素濃縮器を使って、この値を維持しています。
医師
「点滴していきましょうね、今入れたのが抗炎症作用のあるステロイドの薬」
男性は「要介護4」の状態。基礎疾患があり、今後、重症化する可能性もあります。しかし、入院できないのです。
都内の新型コロナの入院患者は、きのう時点で4424人で、過去最多を更新しました。東京都によりますと、重症患者用のベッドはまだ余裕がありますが、軽症や中等症患者用のベッドはひっ迫しているといいます。
また、基礎疾患がある高齢の感染者については、受け入れ自体が難しい病院も多いということです。
入院出来ない高齢者。家族への負担も重くなっています。
医師
「のど痛い?」
「痛くはないです」
90歳の男性と同居し、介護にあたっていた87歳の妻と50代の娘。この日、2人とも相次いでコロナへの感染が判明しました。
「早く良くなってください、みんなと一緒にご飯を食べましょう」
自分たちが感染しながらも、食事や排泄のケアなど24時間休むことなく介護を続けています。
感染した男性(90)の娘(50代)
「この熱はコロナなのか、肺炎からなのか、どこか違うところで炎症が起きているせいなのか、(持病に)コロナが加わったことで気をつけてあげることが増えてきた。母も高齢ですし、それこそ持病ももっているので」
任医師は「世の中からは見えにくいが自宅療養の現場は災害の状態にある」と話します。
文京根津クリニック 任洋輝医師
「在宅で診ている方はもともと高齢の方であったり、基礎疾患があって、なんとか家で過ごしている方が多い。医療者の目がなかなか届かないので、私たちも24時間つきっきりで診ることはできない。状態観察は医療者ではなく、家族にお願いせざるを得ない。僕はこれはもう災害だと思っています」
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