■ 遭難から7日目に奇跡の発見
熊本県八代市の国見岳で行方が分からなくなっていた男性が16日、遭難から7日目に発見されました。男性を発見したメンバーが語る、その時の状況とは?
今月10日、八代市の国見岳で下山中に行方が分からなくなっていた熊本市南区に住む 38歳の男性が、16日午後、見つかりました。
男性に大きなけがはありませんでした。
見つけたのは、捜索にあたっていたボランティアのグループ。
メンバーの1人に男性を見つけた時の様子を聞きました。
男性を発見した 天本 徳浩 さん(60)
「『おーい』という掛け声をしながら探していたら、向こうから『おーい』という大きな声が聞こえたんですよね」
「『捜索(対象)者の方ですか?』と尋ねたら、名前を言われて『助けてください』と大きな声で返事が返ってきました」
男性は、林道の苔むした場所に横たわっていましたが、天本さんたちが声をかけると起き上がろうとする意思を見せたといいます。
天本 さん
「発見した!という感じだった。意識もはっきりしているようだったので安心した。『よかった』というひと言」
天本さんは男性から「今、何日目ですか」と聞かれ、男性の時間の感覚がなくなっていたと感じたということです。
■ 「トレイルラン」が結んだボランティアの捜索
行方不明になって1週間。天本さんの他にもほぼ毎日、ボランティアが男性の捜索にあたりました。ボランティアメンバーのつながりは「トレイルラン」でした。
捜索ボランティアを呼び掛けた 石井 陽子 さん
「トレイルランのチームでグループに呼び掛けて」
寺崎 彰 さん
「私たちボランティアでも 行ける時は行こうと」
寺崎さんたちは捜索に入っていた仲間たちの情報を集約し、現在は使われていないルートも含めて捜索を続けました。それが遭難男性の発見につながりました。
寺崎さん
「『見つかりました』『生きていました』というメッセージが返ってきたんです。もうびっくりして。奇跡ですよね。頭の中で考えられないぐらい嬉しくて、人生で一番嬉しかったかもしれない」