◆これまでの裁判 双方の主張と証言

6月17日から始まった裁判員裁判で、検察側は、寺内被告がストーカー規制法に基づく「禁止命令」を受けていたにも関わらず、川野美樹さんを待ち伏せしてつきまとった上、包丁で突き刺して殺害したなどと主張。
「強固な殺意に基づく残忍極まりない犯行」などとして、寺内被告に懲役30年を求刑していました。

一方、寺内被告は、「刺したことは間違いないが待ち伏せしたことは違う」と起訴内容を一部否認。

弁護側は「包丁は護身用のもので待ち伏せしたという事実はない」「様々な偶然が重なった計画的でない突発的な殺人」として懲役17年が相当と主張していました。
公判ではこのほか、検察側の証人として事件を目撃した女性が出廷。「女性の『やめて、嫌』という声を聞いた。男は刃物を淡々と振り下ろす感じで『ふざけんなこのやろう』と繰り返していた」などと証言しました。
弁護側の証人として出廷した臨床心理士は、心理鑑定の結果、寺内被告はストレス耐性が低く「父親から受けた虐待による重度のPTSDが影響している可能性がある」などと証言しました。

寺内進被告は、最終陳述で次のように述べていました。
寺内進被告「大事な娘さんの命を奪ってしまって申し訳ございません。毎日毎日後悔しております。すべてにおいて僕が悪いと思っております」
冨田敦史裁判長:Q以上でいいですか?
寺内進被告「ほんまに待ち伏せなどしておりません」