“不適切発言”で4月2日に辞職を表明した静岡県の川勝平太知事が、3日午後3時半から県庁で記者会見し「不十分な言葉で皆さんの心を傷つけた」などと辞職の理由を語りました。

<静岡県 川勝平太知事>
「この15年間、静岡県民のために奉仕してきたことを大変光栄に思います。特に、第一次産業、農業、酪農、水産業、これは最も大事にしてきた。そういう方々の心を傷つけたとすれば誠に申し訳なく心からお詫びいたします。申し訳ございませんでした」

会見の中で川勝知事は「第一次産業に従事する皆さんを傷つけ、心から申し訳ありませんでした。私の不徳の致すところです。どうか皆さんの仕事に誇りをもって続けてください」と述べました。

また「リニア問題が大きな区切りを迎えたこと」も辞職をすることに至った大きな理由と語りました。

<静岡県 川勝平太知事>
「リニア問題は大きな区切りを迎えている。これが一番大きい。南アルプスの水、生態系、環境、いかに守るかということに心を砕いておりました。JR東海と真摯な対話を続けてきましたが、昨年社長が代わって、雰囲気が変わりまして、いい方だと。向こうもそう思っていればよいが」

川勝知事は2024年度初日、4月1日の新規採用職員への訓示の場で、「県庁というのは、別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりということと違って、基本的に皆様方は、頭脳、知性の高い方たちです」と話し、職業差別とも受け取れる発言をし、県には批判が殺到しました。

2日夕方、川勝知事は報道陣の取材の中で「不愉快な思いをした人がいたら誠に申し訳なく思う」と謝罪した上で、辞職の意向を示していました。

7月にも行われる予定の出直し知事選への再出馬について問われると、「もう私は十分仕事をした。まったくありません」と否定。後継の打診についても「ありません」としました。