新型コロナの感染急拡大で救急車の要請件数が増加しています。
これに伴って懸念されるのが救急患者の搬送先がすぐに決まらない事案の増加です。

甲府地区消防本部 保坂竜児救急救助係長:
発熱やせき、のどの痛みなどの倦怠感の症状を訴える患者が多い。また、家族が感染者で自分が不安になって救急要請をされる方も多いです。
新型コロナ感染の急拡大で7月の救急車の出動要請は1397件で2021年の同じ時期より2割以上多くなっています。

これに伴って増加しているのが救急搬送困難事案です。

これは救急隊が患者の受け入れを医療機関に連絡した回数が4回以上で、現場に30分以上とどまっていたことを指します。

7月18日からの1週間のこの事案は17件で前の週より5件増え、2021年の同じ時期より12件増加しました。

甲府地区消防本部 保坂竜児救急救助係長:
新型コロナウイルス感染症の患者が増えていること、また発熱等による疑いの傷病者が増えていることは増加要因のひとつと考えられます。

新型コロナ感染の疑いがある搬送では、病院が見つからず現場に2時間半以上滞在したこともあったといいます。

甲府地区消防本部 保坂竜児救急救助係長:
1件にかかる滞在時間が増えて、同じ時間帯に出られる救急車が限られるので、そうすると新たに119番を通報した傷病者のもとに到着する時間が遅くなるというようなことになるので、助かる命が助からないことが懸念される。

甲府地区消防本部は7月27日から非常用の救急車1台を運用して対応しています。

症状が軽くても救急車を呼ぶ人もいるとされ、消防本部は救急車の適切な利用を呼びかけています。

甲府地区消防本部 保坂竜児救急救助係長:
救急車を呼ぶか迷われる場合は受診・相談センターをご活用いただくなど救急車の適時適切な利用をお願いします。もちろん緊急性が高いと判断した場合は迷わず救急車を要請してください。