急性胃拡張症を発症した女性(当時21)が、富山県立中央病院で、胃の内容物を吸引する措置を座ったまま受け、誤嚥を起こし窒息、その後死亡したことをうけ、女性の両親は「横たわる姿勢で吸引していれば誤嚥による心肺停止はしなかった」などとして、病院を経営する富山県に1億3000万円あまりの賠償を求める訴えを起こしました。

提訴されたのは、富山県立中央病院です。

訴状によりますと、2020年11月6日、女性は大量の食べ物を摂取したため、翌日、胃に食べ物や胃液などの内容物が停滞して胃が急速に拡張する「急性胃拡張症」を発症。

県立中央病院の救急外来を受診し、胃の内容物を吸引する措置を受けて帰宅しました。

同日午後5時ごろ、女性は容態が悪化したため、再度、県立中央病院の救急外来を受診。胃の内容物を吸引する措置を座ったまま受けましたが、この時、嘔吐物の誤嚥により窒息。心肺停止と低酸素脳症を発症し、遷延性意識障害となり入院し、2021年9月11日に死亡しました。

女性の両親は、左向きに横たわる姿勢で、熟練した医師が措置していれば、誤嚥による心肺停止は起こらなかったなどとして、県立中央病院を経営する県に、1億3400万円あまりの損害賠償を求めています。

県立中央病院は、取材に対し「裁判で主張していく」としています。