有事に備え、自衛隊などが平時から民間の港や空港を利用できるようにする「特定利用空港・港湾」について、政府が、那覇空港と石垣港を今年度中に指定する方針であることが分かりました。

有事に備え、平時から自衛隊や海上保安庁が、民間の空港や港を利用できるようにする「特定利用空港・港湾」の指定に向け、政府は県内12の施設を選定し、機能の整備や拡充に向けた検討を進めています。

こうした中、政府は今月中に開催する関係閣僚会議で、那覇空港と石垣港を先んじて指定する方向で検討していることが、防衛省関係者への取材で分かりました。

来年度には那覇空港と石垣港で施設整備や拡充に向けた現地調査が進められ、その後、必要な補修・改修計画が作成されるとみられます。

玉城知事
「指定するにあたってどのような影響があるのか、ないのか。とにかく我々は情報収集して空港・港湾の民間使用に支障がないようにしたい」

玉城知事はこのように述べ「細かい情報を提供いただきたい」として「特定利用空港・港湾」の指定について改めて慎重な姿勢を示しました。

【解説】
「特定利用空港・港湾」に指定されると自衛隊や海上保安庁が平時でも円滑に利用できるよう滑走路の延長や港湾の岸壁・航路などを整備することになっていて県内では、全国の自治体でも最も多い12の空港や港湾が指定候補となっています。

自衛隊は▼侵攻する部隊の接近・上陸の阻止▼迅速な機動展開▼国民保護。
海上保安庁は▼テロなどの警戒▼捜索救難・人命救助▼国民保護などの活動が想定されています。

地元自治体からは、インフラ整備による経済振興を期待する声がある一方、「攻撃目標になる」と反対する声も聞かれます。

県は「説明が不十分」として来年度の予算措置の要望を見送るなど慎重な姿勢を示していて、県と地元自治体とで足並みが揃っていないのが現状です。