今回は写真家・ジャーナリストの柴田大輔さんが書いた本「まちで生きる、まちが変わる つくば自立生活センターほにゃらの挑戦」と、そこに登場する「ほにゃら」という自立生活センターを紹介します。
当事者が当事者を支える「自立生活センター」

自立生活センターは、障害のある当事者が中心になって運営される障害者のための支援組織です。「まちで生きる、まちが変わる」はその「ほにゃら」の歴史を取材し、スタッフや利用者の声を伝えるノンフィクションです。著者の柴田大輔さんは健常者ですが、「ほにゃら」の活動に興味をもち、介助スタッフとして働きながら2年間かけて本にまとめました。柴田さんに本を書くきっかけを聞きました。

写真家・ジャーナリストの柴田大輔さん
「それまで自立生活センターの存在をまったく知らなくて、当事者の人が当事者を支えていくのがすごく僕には新鮮で、驚きもありました。当事者だから分かる当事者の気持ちがあり、困りごとをより深く理解されているので、かゆいところにめちゃくちゃ手が届く対応ができるし、利用者がやりたいことを実現させるためのサポート体制を新たに作ったり、社会そのものも変えなきゃいけない時には変えてしまうための活動を、当事者が中心になりながら、当事者以外もチームとして加わって、学生や社会人など多様な地域の人を巻き込みながら動いているのも魅力的だなと僕は思いました。それが本を書くというその先の取材につながったという感じですね」
自立生活センターは医療や福祉の専門家が支援するのではなく、障害者が、障害者のための支援をする組織です。全国に100か所以上あり、障害者がヘルパーの介助をうけながら、実家や施設を出て独立して暮らせるよう計画を作成したり、介助者の派遣など実用的な支援をしているのが特徴です。