津波から子どもたちの命を守ろうと高知県南国市の小学校に災害に強いライフジャケットが贈られました。友人を津波で亡くした貿易会社の社長が全国で進めている取り組みです。
ライフジャケットを寄贈したのは神戸市の貿易会社「カザワトレーディング」です。加澤慶久(かざわよしひさ)社長が南国市の稲生小学校を訪れ児童と教員分、合わせて60着を寄贈しました。
ライフジャケットは津波や水害対策用として開発されました。一般的なものよりも浮く力と強度が強くなっています。また、頭や腰も保護することができるように改良が重ねられています。
加澤社長は2004年のスマトラ沖地震による津波で、友人を亡くした経験からこのライフジャケットを開発。子どもたちの命を守りたいと全国で活動を続け、これまでに2千着を寄贈してきました。
周辺に津波避難タワーが少ない稲生小学校。南海トラフ地震では近くを流れる下田川を津波が遡上し、3m~5mの浸水が想定されています。学校から近くの高台に避難するには5分以上かかるとされていて、「どうやって自分たちの命を守るか」が課題となっています。
「災害が来た時などに使えてすごく便利だと思うし、一人でも多くの命が救えるので大切なものだと思います。頑張って訓練して南海トラフ地震などに備えてがんばろうかと思います」
(カザワトレーディング 加澤慶久 社長)
「津波の時は海底からヘドロが上がってくるんですね。そのヘドロは浮力がないんですけれども、それで皆溺れてしまうんで、その段階でも受けるようなライフジャケットを開発しようということでしまして。津波が来た瞬間、海の中と一緒になる。だからそのためにライフジャケットを置きましょうということで、今どんどん進めています。この小さい人たちを、未来を何があってもいかさなくてはいけない。そのためには子どもたちに配ってそういう形にしています」
稲生小学校では今後、ライフジャケットの持ち出しなどを含めた防災訓練などを学校全体で行っていくとしています。