山梨県が検討を進める富士山登山鉄道構想について、長崎知事自ら出席する地元説明会が富士吉田市で開かれました。
構想に反対する堀内市長も出席し、取材に対し改めて反対を表明しました。

21日の山中湖村に続いて、2回目となった住民説明会。
23日も長崎知事自ら出席したほか、構想に反対している富士吉田市の堀内茂市長も参加し、意見の別れる2人が会場で相まみえる形となりました。
それを意識してか、知事からはこんな一言も・・・



長崎知事:
様々な富士山の恵みというものを、しっかりとやっぱり後世に引き継いでいかなければならない。こういう思いはですね、おそらくきょうここにお集まりの皆さんと私たちは共通している。いかがでしょうか。ありがとうございます。


説明会では、知事自ら富士山の現状についてユネスコの諮問機関から来訪者のコントロールや環境負荷の軽減などが求められていることから、麓から5合目までをLRT=次世代型路面電車で結ぶ富士山登山鉄道構想は解決策の1つだと説明しました。

その後質疑応答が行われ、富士吉田市では市議会も構想に反対を決議するなど反対論が根強いとされる中質問が相次ぎました。


Q:登山者数の制限を設けることと、それを条例で規制することを検討していると新聞で読んだのですが、スバルラインを規制してシャトルバスのみとすれば、一挙に解決するのではないでしょうか。




長崎知事:
マイカー規制をやっていたにもかかわらずこれだけ多くの観光客の増加があったということで、そのマイカー規制をやればですね、じゃあ果たして本当にこのオーバーツーリズムの問題を解消できるか、それは私は大いに疑問に思っています。

Q:とにかく噴火が怖い怖いという話を何年もしているのに、なんで登山電車ですか?

長崎知事:
環境を守っています、こういう形で安全を守っています、こういう形で価値を守っています、これをですね、しっかりと目に見える形で実行していくのが私たちの課せられた責務であると。「これやりますから皆さんよろしくね」と言っているわけでは一言もありません。ぜひ良い方向を一緒になって考えていこうじゃないですかと。
説明会の中で堀内市長が発言することはありませんでしたが、終了後報道陣の取材に・・・


富士吉田市 堀内茂市長:
災害等に対する保安対策ですね、この点がですねほとんどしっかりと表示されていないということです。より反対論が強くなったというのが個人的見解でございます。
改めて反対の姿勢を示しました。

住民説明会は今後、他の富士北麓地域の町と村でも開かれる予定です。