7月6日は78年前に甲府空襲があった日です。この空襲を子どものころ、目の当たりにした男性に話を聞きました。街を襲うアメリカ軍の爆撃機から命からがら逃げた体験談です。

甲府空襲を体験 川崎松雄さん:
みんな焼けちゃったんだな。下町まで全部そっくりないでしょう。
甲府市塩部に住む川崎松雄さん、87歳です。

川崎松雄さん:
ここの一画が家だったんですよ。ここがね。
川崎さんは4人きょうだいの長男として生まれ、当時甲府市美咲で生活していました。そして9歳だった78年前のきょう7月6日の深夜でした。
「早く逃げろ!、逃げろ!」という隣の家に住む親せきの叫び声で目が覚めた川崎さん。
母親があわてて身支度させますが準備に時間がかかり逃げ出すときには周囲に人の姿はありませんでした。
川崎松雄さん:
誰もいない。誰もいなかった。それで上に飛行機が30㎝ぐらい(に見えた)。B29がブーンと飛んでいた。音だけブーン、ブーンってねすごかった。
エンジン音を響かせ夜空を飛び交う大型の爆撃機B29。
甲府空襲です。

川崎さんは当時3歳の妹を背負いながら家族5人で自宅から西へ向かい200mほど離れた相川にかかる橋の下へ逃げ込もうとします。
しかし、そこにはすでに多くの人がいました。