県内最大級の川柳結社「甲斐野社」の編集人で県川柳協会の井上信太朗顧問は

県川柳協会 井上信太朗顧問:
目の付け所が素晴らしい。世相の中の色んなことを嗅ぎ分けて、それをドラマ化して五七五にする。これが一番楽しい。

川柳の面白さを知り尽くしている井上さん。
惜しくもベスト10入りを逃した応募作の中で注目した一句があります。

『妻を向き 帰ってこない 扇風機』

井上さん:
妻の手のひらの中で踊ってあげる旦那さんの我慢の顔が浮かんでくる川柳の中の川柳といった作品

働く人や地域の住民で賑わう甲府市の食堂で、ずらりと出そろった力作についてみなさんの感想を聞きました。

川柳を見た人は:
『オミクロン 家族全員 株主に!!』
投資始めた人も多いと思うがそれとコロナを掛け合わせたところがセンスがある

『パスワード つぶやきながら 入れる父』
つぶやきながら入れちゃったら意味がない。かわいらしい

『ヤクルト1000 探し疲れて よく寝れる』
私も飲んでいるが一時品薄だったのもあって、みんなの「寝たい」なって気持ちがあふれている

『下腹に 脂肪が集合 「密ですよ」』
僕も最近下っ腹がポコッとしているような感じ?日々の集大成がここに来ている

『また値上げ 節約生活 もう音上げ』
人生食堂こばやし 店主 小林直樹さん:
もういい加減そろそろ下げてほしい…頑張ります!

飛び出す感想にそれぞれの人生模様が浮かび上がります。

井上さんも一句!

『若者に 前科を負わす 闇バイト』
高額な報酬で若者を誘い込み犯罪行為に加担させる「闇バイト」。若者に似合うのは前科ではなく明るい未来のはずと世に鋭く問いかけます。

暮らしや社会の鏡とも言える「サラ川」。
そこから生まれる共感は人々の心の架け橋となっています。