JR甲府駅前に懐かしの「あの電車」をモチーフにした御朱印が登場し、観光活性化に期待が集まっています。

神社や寺で参拝の証明として授かる「御朱印」。

参拝日や寺社仏閣の名前などが墨書きされ、印章が押されています。

弦間大 記者:
境内の一角長い行列ができています。皆さんが待っているのは御朱印です。

令和元年の2019年、甲府市の武田神社では新元号の御朱印を求める人で長蛇の列が。

この他にも、各地で特別な御朱印に多くの人が集まる姿が見られ、根強い人気が伺えます。

こうした中、JR甲府駅前にも「御朱印」があるという情報が…

武藤裕美 記者:
ありました!ありました!こちら「鉄道印販売中」と書いてあります。

そこは、何と自動販売機!

武藤 記者:
よく冷えていますね。

この中身が鉄道版御朱印の「鉄印」。

昭和初期から中期にかけて甲府盆地を走っていた山梨交通電車線=通称ボロ電の廃線60周年を記念して、山梨交通が2022年9月に発売しました。

価格は400円で、「甲府駅前駅の跡」と手書きされ、当時の社章が押されています。

また、乗車券のレプリカも添えられ、本格的な出来栄えです。

SNSの声:
自動販売機で売っているのが面白い。
SNSの声:
インパクトが強烈!
SNSでも報告が相次ぎ、話題を呼んでいます。

山梨交通 雨宮正英 社長:
ここが駅のあった所なので、ここで発売するのが一番いいだろうと。
この鉄印に並々ならぬ思いを抱くのが、山梨交通の雨宮正英社長です。


雨宮 社長:
コロナ禍で公共交通はずいぶん苦戦したので、公共交通を見直してもらって利用増につながればいいという思いを込めてつくった。

武藤 記者:
売れ行きは?
雨宮 社長:
400枚以上売れている。ますます売れると信じている。

当初は1か所だけだったということですが、いまや1列が「鉄印」に。
鉄道ファンの心をしっかりと捉えているようです。


雨宮 社長:
コレクターの気持ちっていうのはね。一つ集めるとたくさん集めたくなる。私個人的には御朱印集めが趣味で、その延長でこういうものを考えた。

この鉄印発行はなんと、雨宮社長のアイデア!

社長室にお邪魔すると…。
武藤 記者:
すごい!額に飾られていますね。


雨宮 社長:
各宗派の大本山、総本山の御朱印というような、皆さんから崇敬を集めるあてらの御朱印です。やっぱり、せっかく行ったんだからそのお寺と神社との結びつきを深くしたい。

雨宮 社長:
20代のころ観光バスの仕事をしていた時に客が集めているのを見て、自分も集めたいと思って集めだしたのが最初。

こうした発想はこちらでも。

雨宮社長が会長を務める甲府市観光協会は、2020年甲府城をテーマにした城版御朱印の「御城印」を、2021年は武田信玄公にちなんだ「武将印」も発行!

11月までに発行した数は御城印はおよそ1万1200枚、武将印はおよそ4000枚で、年々増加しています。

雨宮 社長:
ほしい御朱印があればその地まで必ず行くから移動が発生するし、観光の目的にもなってくる。もう少し種類を増やしていくと面白いことになるかな。

歴史のロマンや地域の魅力が込められた様々な「印」が観光活性化に一役買おうとしています。