消防点検中に、山梨県立美術館の収蔵庫から工芸品を盗んだ疑いで39歳の男が再逮捕されました。


山梨県は第三者委員会を設置し、管理体制を検証することにしています。


盗まれたのは、県立美術館で所蔵している宅間正一作の平香炉「かれい」で、寄贈された1984年当時の評価額は60万円相当です。


警察は、2022年8月の消防設備の点検の際に作業員として収蔵庫に入室し、工芸品を盗んだとして山梨県笛吹市の39歳の男を、10月27日逮捕しました。


男は容疑を認め、捜査関係者によると「売って金にしようと思った」などと供述しているということです。


男は同じような手口でマンションから高級腕時計を盗んだ疑いで9月逮捕されていて、警察が車内から押収した被害品の中にこの工芸品があったということです。


山梨県立美術館副館長ら:
誠に申し訳ございませんでした。


山梨県や美術館は10月27日、会見を行い謝罪したうえで管理体制などについて説明しました。

点検が行われたのは2022年8月8日で、指定管理者が委託した専門の業者が請け負ったということです。


この業者の従業員だった男など複数の作業員が収蔵庫に入って作業をしていて、美術館の施設管理の責任者が立ち会っていたとしています。


しかし当時は盗難被害に気付かず、10月18日に警察から連絡があり、発覚しました。


美術館は事件を受け緊急点検を行い、ほかに盗まれたものはなかったということです。


山梨県は今後第三者委員会を設置し、管理体制に不備がなかったか検証するとともに、再発防止策を講じたいとしています。