最新のデジタル技術を用いたトンネルのメンテナンス検査が公開されました。

これまで熟練の職人が時間をかけて行っていた作業の効率化が見込まれ、2年後の実用化を目指しています。

オペレーター:
レーザー照射します3・2・1


この検査は、中央道・笹子トンネルで天井の板が崩落し9人が亡くなった事故を受けて、国の理化学研究所が主体になって進めてきたプロジェクトです。



10月18日は山梨市のトンネル内で実証実験が公開されました。


まず、「MIMM(ミーム)」という車両で走行しながら撮影ができるシステムでトンネル内部の写真を撮影しました。


システムの説明者:
法定速度で走りながら、ひび割れでいうと0.2mmがわかる高解像度の写真を撮ることができる。



その画像をもとに、深さ5cmまで検査ができるという2種類のレーザーを照射して振動を計測しました。

人工知能のAIが計測データを分析し、危険度を4段階で判定することができるということです。



トンネル内の打音検査などインフラの点検は、これまで熟練の職人にしかできませんでしたが、この技術を用いると経験の浅い人たちに効率よく作業を伝えることが可能になるということです。



プロジェクト実用化責任者 木暮繁さん:
(今までの打音検査は)ハンマーをたたいてノートに書いたり絵に描いたりしている。そうするとその人しかわからない。誰かがそれを検証することができない。5年ごとの検査で比較することができないので、デジタル化することが大きなポイントになる。


このデジタル技術を用いたインフラメンテナンス検査は将来的に作業速度がヒトの6倍になると見込まれていて、2年後の2024年度の実用化を目指しています。