山口県美祢市の特産品・厚保くりが記録的な不作となっています。

宮田観光栗園は、県内有数のくりの産地・美祢市の厚保地区にあり、大玉で甘い厚保くりのくり拾いを楽しむことができます。例年、9月中旬から10月中旬は、足の踏み場がないほどくりの実が落ちていて、多くの観光客が訪れるということです。ことしは、生育状況がいつもとは違います。

宮田観光栗園 宮田真理子さん
「例年に比べてとても少なくて凶作の年になってます」

記録的な不作で、JAでは直売所での販売を中止しています。およそ50年の園の歴史を振り返っても、このような不作は、初めてといいます。原因の1つは、ことしの天候が考えられます。

宮田さん
「6月、7月に降った大雨とあとはこの夏の暑さが原因かなと思います」

梅雨時期の大雨で受粉がうまくいかず、実が少なくなった上に、記録的な暑さで、実が熟れて落ちるまでの時間が遅くなったのではないかとみています。

2019年8月末に撮影された写真と、きょうのくりの実の色を比べると、同じような青さなのがわかります。

宮田さん
「なり物なので、自然には逆らえないなっていうところはあるんですけど、毎年楽しみにしてくださっているお客様にちょっと申し訳ないなっていう気持ちです」

園ではくり拾いを休止したり、持ち帰ることのできるくりの量を1組3キロに制限したりするなどの対応をとっています。

園には、くり拾いをできないかという問い合わせの電話があったり、少しでもくり拾いをしたいという客が訪れたりしていました。

宇部市から家族で来園
「くりがないっていうのは聞いていたんですけど、せっかくの機会なので来てみました。子どもが楽しみにしていたので。(Q.やっぱり秋を感じられる?)そうですね、くりごはんとかしたら喜ぶので」

今後はくりの実の量に応じて、案内できるかどうかを判断することにしていて、事前に電話での問い合わせをしてほしいということです。例年どおりの収獲は見込まれず、くり農家には厳しい秋になりそうです。