山口県美祢市の中学生4人が、道に迷った体調不良の高齢者を救いました。

修学旅行で、京都を訪れていたときの出来事でした。

関谷名加アナウンサー
「とっさの判断で高齢者を救ったのは、美祢市立美東中学校の3年生4人です。京都の警察署からは感謝状が送られたということです」
その中学生とは…

伊藤翔さん、前川憂太さん、田邊澪菜さん、吉冨日梨さんの4人です。


前川憂太さん
「すごいじゃんって言われました、ちょっと自信がつきました」

伊藤翔さん
「自分たちしかいないという責任感と安全に助けたい気持ちからとっさに動きました」


5月17日、修学旅行で京都を訪れたときのことでした。

この日4人は班ごとの自由行動で、清水寺や伏見稲荷大社などを巡っていました。
京都を満喫し、午後5時過ぎに京都駅からホテルに向かっていると…


前川憂太さん
「なんか足を引きずった感じで倒れそうな感じでした。自分から見たら熱中症かなって思ったんですけど」
田邊澪菜さん
「暑い、暑いやったっけ、なんかあと、痛いって言ってました」

70代の女性が足をふらつかせて助けを求めてきたそうです。女性は道に迷っていたと言います。とっさに体を支え、車通りの多い路上から近くの駐車場に移動して石のブロックに座らせました。

吉冨日梨さん
「私たち携帯とか持ってなかったから、私がいろいろ声かけて、通りすがりの人に警察の方に電話してもらって」
伊藤翔さん
「その日暑かったので、お店でうちわとか扇子とか買って、それで風を起こしてあおいでいました」

ちょうど担任の沖村先生が通りかかり、合流できました。熱中症のようにも見えたので、ペットボトルの水を買って渡し、うちわや扇子であおぎながら警察の到着を待ちます。

通報からおよそ10分後、女性は駆けつけた警察に無事、保護されました。

吉冨日梨さん
「きょうで3回行方不明になっていたみたいな、警察の方が言っていて、本当見つかってよかったなと思いました」

この日、京都の気温は32.5度まで上がり、熱中症になる危険がありました。女性がいた場所は車が多く通る場所でした。

美祢市立美東中学校3年1組担任・沖村重成先生
「まったく知らない土地でとっさにこういう行動ができたってことは子どもたちも言ってましたけど自信になると思いますし、携わってきた先生だったり地域の方、保護者の方もすごくうれしく思っているんじゃないのかなと思います」

田邊澪菜さん
「プライベートでまたそういうのに遭った時に今回のことを多分覚えてまたすぐに行動できると思います」

4人と担任には、京都府南警察署より感謝状が送られ、あさって、美祢市長から手渡されることになっています。