戦時中に起きた山口・宇部市の海底炭鉱・長生炭鉱の水没事故に関連して、遺骨発掘へ潜水調査を担う水中探検家が国会議員らに状況を説明し、25年1月からの調査で、遺骨を発見できる可能性があると述べました。

山口・宇部市の海底にあった長生炭鉱は、太平洋戦争のさなかに水没する事故があり、朝鮮半島出身者136人を含む183人の労働者が犠牲になりました。
遺骨は炭鉱内に残されたままとなっています。

12月11日、犠牲者の遺骨発掘を目指す「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が、潜水調査を行う水中探検家の伊左治佳孝さんから、現状を説明してもらう会を開きました。

伊左治さんは、24年7月と10月に炭鉱の排気筒、ピーヤや入り口、坑口から坑道内に入り、潜水調査をしています。
次回の潜水調査は、25年1月31日から3日間行われる予定です。

水中探検家・伊左治佳孝さん
「3日間あるので…感触的には遺骨が見つけられるんじゃないかというのが、実際の所感であります」
これまでの調査で炭鉱の入り口から300から400メートルあたりに遺骨はあると見られていて、そこに到達することを次回調査の目標に掲げました。
長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会・上田慶司・事務局長
「2025年を必ず遺骨返還の年にしたいという風に思っております」
懇談会の前に、伊左治さんは厚生労働省や外務省の担当者にも状況を説明したということです。