2人の男性の行動が、高齢男性の命を救いました。

山形環境保全協同組合の渡邊吉和さんと小関達也さんは、1人ではゴミ出しができない1人暮らし高齢者の家をまわり、ゴミを回収する業務を行っています。

今年1月18日の朝。雪が降り、寒い日でした。
2人はこの日も朝から収集車で家々をまわっていました。

午前8時45分ごろ、山形市内のとある民家に到着し、業務をしていると、小関さんが人の声がすることに気が付きます。
渡邊さんと2人で、この家の庭を確認したところ、横向きに倒れた高齢の男性の姿が。頭からは血が出ていました。

「大丈夫ですか?」

2人が声をかけます。
高齢男性に意識はあるようですが、立ち上がれるような状況ではありませんでした。

そこで、渡邊さんはすぐに警察に通報。
警察が救急車の手配をしたのを確認すると、男性の家の前で、救急車に場所を知らせる役割をするとともに、持っていたタオルを小関さんに渡しました。

小関さんはそのタオルで、男性の頭部を止血。
さらに、雪の中寒がる男性に、自分が着ていた防寒着をかけ、体を温めました。

その後、高齢男性は救急車で病院に運ばれ、命に別状はなかったということです。

警察によりますと、高齢男性は誤って庭で転倒してしまった可能性があるとのこと。
当時の山形市の気温はおよそ2度。雪の降る天気の中、2人が発見しなかったら危険な事態に発展していたかもしれません。

2人の勤める山形環境保全協同組合では、業務の傍ら、地域の見回り活動にも力を入れていて、日ごろから有事の際の連絡体制を確認していたということです。
過去には歩道で倒れ起き上がれなくなった高齢者を助けるなどしたこともあったということです。

今回、人命救助に貢献したとして、警察は2人に感謝状を贈呈しました。

2人は「命に別状がなくホッとした」「発見できて、人を助けることができてよかった」と話していたということです。